一般社団法人の公告方法はどんなものがある?

今回は一般社団法人の公告方法について解説していきます。
一般社団法人を設立する際は、必ず公告方法について定めておかなければいけません。
しっかりと公告方法について確認し、一般社団法人の設立をスムーズに進めましょう。

当事務所では福岡県にて一般社団法人設立のサポートをしております。
お気軽にご相談ください。

詳しくはこちら➡︎『一般社団法人設立 代行』

公告とは

まず、公告とは何かについて解説します。

公告とは簡単にいうと、『法人の特定の事項を外部に知らせる』ことです。
具体的には「決算内容」を知らせたり、「法人の解散」など重要なことを知らせることです。

「え、決算内容って外部に公開するの?」と思ったかもしれませんが、原則はそうなります。
貸借対照表を公開することになります。

公告の義務を怠ったり、不正な公告をした時は罰則がありますので注意しましょう。

公告内容は大きく2つに分かれており、
・決算公告
・法定公告

があります。
それぞれ見ていきましょう。

決算公告とは

決算公告とは、事業年度ごとの決算内容を公開することです。
具体的には貸借対照表を公開します。
(後述しますが、公告方法によって、貸借対照表の「全文」or「要旨」を公開することになります。)
(大規模一般社団法人の場合は、損益計算書も公開しなければいけません。ただ、大規模一般社団法人に該当するには、最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上である一般社団法人となりますので、通常は該当しないでしょう。)

公開するタイミングは、「定時社員総会の終結後遅滞なく」となっています。
定時社員総会は事業年度終了後3ヶ月以内に開催することが通常です。

確定申告は通常、事業年度終了後2ヶ月以内ですので、2ヶ月以内に決算書が完成して確定申告すると考えると、『事業年度終了後2〜3ヶ月の間』に定時社員総会を開催することが多くなるでしょう。

その定時社員総会終了後に公告の手続きに入りますので、公告のタイミングとしては『事業年度終了後3〜4ヶ月の間』といったところでしょうか。
いつまでに公告をするとは定められていませんが、遅滞なくということで、「事情の許す限り早く」公告する必要があります。

法定公告とは

法定公告とは、法人の合併時や解散時に、債権者保護のためにしなければいけない公告のことです。
タイミングとしては、もちろんその都度ということになりますので、滅多にする公告ではありません。

なお、この合併や解散の公告は、必ず官報にてする必要があります。(後述します)

公告の方法

一般社団法人の公告の方法には以下の4つがあります。
それぞれについて見ていきましょう。

公告方法

・官報
・日刊新聞紙
・電子公告
・掲示板

官報

まずは官報(かんぽう)に掲載する方法です。
官報とは国の機関紙のことで、国の法令や公示事項を国民に周知させるという役割があります。
ですので金融機関や弁護士など特殊な目的を持つ人以外、一般の方が読むものではありません。

この官報に掲載依頼をして、公告を載せるという方法になります。
ただし掲載料金が比較的高く、毎年の決算公告を掲載するには費用負担が大きくなります。
掲載内容次第で料金は変わりますが、7万円〜といったところです。

なお、合併や解散といった法定公告は官報でしなければいけません。

日刊新聞紙

毎日刊行される新聞に掲載する方法です。
全国紙や地方紙でも掲載は可能です。

ただ、掲載費用が数十万円〜かかるため、選ばれることは通常ありません。

電子公告

電子公告とはインターネット上で公告をする方法のことです。
通常は自社のホームページを用意して、そのホームページ上で公告することになります。

ホームページのURLは登記事項となるため、設立登記時にはURLを取得しておくことが通常の流れです。

公告の費用を安く抑えられ、掲載もしやすい方法ですが、以下のようなデメリットもあります。

・「貸借対照表の全文」の掲載が必要。
・決算公告は5年間継続して掲載が必要。

先述した官報と日刊新聞紙では、「貸借対照表の要旨」を掲載すれば良かったのですが、電子公告の場合は全文の掲載が必要となります。
また、5年間もの間「貸借対照表の全文」を掲載する必要があります。
ネット上で容易に閲覧できてしまうのも、場合によってはデメリットといえるかもしれません。

掲示板

最後は「主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法」です。
この方法は、法人の『主たる事務所』に『貸借対照表の全文』を掲載する方法です。
この方法も「全文」の掲載が必要です。

また、『見やすい場所』に掲示が必要ですので公衆がアクセスできる場所である必要があります。

掲載期間は、1年間となっています。

費用も特にかからず、容易な方法のため、小規模な法人ではよく選ばれている方法になります。

まとめ

以上、一般社団法人の公告方法について見てきました。
実務上、選ばれる公告方法は「電子公告」か「掲示板」が多くなっております。

立ち上げる法人の規模等を考慮して、最適な公告方法を選択しましょう。

当事務所では福岡県にて一般社団法人設立のサポートをしております。
お気軽にご相談ください。

詳しくはこちら➡︎『一般社団法人設立 代行』