
目次
一般社団法人の役員には誰がなれる?
今回は一般社団法人の『役員となるための資格』について解説します。
一般社団法人の役員になるには『欠格事由』に該当しないことが求められます。
一般社団法人の設立時や、役員を増やす際は欠格事由に該当していないかの確認が必要となります。
当事務所では福岡県にて一般社団法人設立のサポートをしております。
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一般社団法人の役員とは
まず一般社団法人の役員とは、何でしょうか?
一般社団法人の役員とは
・理事
・監事
のことです。
理事・監事に就任する可能性のある者は、欠格事由に該当していないかを確認しておかなければいけません。
役員の欠格事由
欠格事由に該当する者は、役員になることができません。
欠格事由は以下のように定められています。
それぞれ解説していきます。
(役員の資格等)
第六十五条 次に掲げる者は、役員となることができない。
一 法人
二 削除
三 この法律若しくは会社法(平成十七年法律第八十六号)の規定に違反し、又は民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)2 監事は、一般社団法人又はその子法人の理事又は使用人を兼ねることができない。
3 理事会設置一般社団法人においては、理事は、三人以上でなければならない。
第六十五条の二 成年被後見人が役員に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。
2 被保佐人が役員に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。
3 第一項の規定は、保佐人が民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。
4 成年被後見人又は被保佐人がした役員の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。
出典:「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」
第65条第1項第1号
法人は役員になれません。
役員は、法人格を持たない個人が対象となります。
第65条第1項第2号は削除
以前は、成年被後見人・被保佐人が欠格事由となっていましたが、改正により削除されました。
その上で、第65条の2において、成年被後見人・被保佐人が役員となるための規定が追加されています。
成年被後見人が役員に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければいけません。
被保佐人が役員に就任するには、その保佐人の同意を得なければいけません。
ただし、成年被後見人・被保佐人が役員に就任することは、まれなケースかと思います。
あるとしたら、「元々役員であったが、役員在任中に後見開始の審判を受けて、退任した場合」でしょうか。
(会社と役員の委任契約は、後見開始の審判を受けると終了することになりますので、役員を退任することになります。ちなみに就任中に被保佐人となっても退任は不要です。)
その際に、退任した役員(成年被後見人)を、何らかの事情で改めて役員に選任する場合は該当条文を確認するようにしましょう。
第65条第1項第3号
非常に長い条文で分かりにくいと思いますので、簡単に分かりやすく説明します。
まず最初は、欠格事由に該当する法律が列挙されています。
その法律とは以下のものです。
・一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
・会社法
・民事再生法
・外国倒産処理手続の承認援助に関する法律
・会社更生法
・破産法
これらの法律の該当条文の罪を犯して、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者は役員になることができません。
内容は難しいと思いますが、該当しそうかもと思った場合だけ詳しく確認すれば問題ありません。
第65条第1項第4号
第65条第1項第3号以外の法令に違反して、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者は役員になれません。(刑の執行猶予中の者を除く。)
(刑罰は、死刑>拘禁刑>罰金>拘留>科料の順で重くなります。)
第65条第2項
監事は理事と兼任することはできません。
また、監事は一般社団法人の使用人(従業員等)と兼ねることもできません。
(親法人の監事は子法人の理事や使用人にもなれません。子法人とは簡単にいうと、ある法人が議決権の過半数を有している法人や、他の法人が運営を実質的に支配している法人のことです。)
第65条第3項
この条文は理事会設置時の話ですので、役員の欠格事由とは少し違いますが、理事会設置の場合は理事が3名以上必要となります。
破産者は欠格事由か?
破産者は欠格事由ではありませんが、成年被後見人と同じく、委任契約の終了事由となり、就任中に破産者となった場合は退任することになります。
ただし、欠格事由ではありませんので、改めて役員に選任することは可能です。
未成年者は欠格事由か?
未成年者も欠格事由ではありませんが、未成年者が契約を行うには親権者等の法定代理人の同意が必要となります。
役員への就任は、法人との委任契約となりますので、親権者等の同意が必要となります。
まとめ
以上、一般社団法人の『役員となるための資格』について見てきました。
役員就任後に欠格事由に該当していたことが発覚すると、選任自体が無効となってしまいます。
役員の人数などは『非営利型』の認定にも関わってきますので、十分に注意しておきましょう。
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