一般社団法人の社員総会について解説

今回は、一般社団法人の『社員総会』について解説します。
一般社団法人を運営していくには、社員総会を理解しておく必要があります。
細かいところまでは難しいと思いますが、まずは社員総会について大まかに理解し、一般社団法人のスムーズな運営を目指しましょう。

当事務所では福岡県にて一般社団法人設立のサポートをしております。
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社員総会とは

一般社団法人の社員総会とは、法人の『最高意思決定機関』のことです。
社員総会において、法人の重要な事項を決定していきます。
簡単にいうと社員が集まって重要な事項について話合い、決議を取るということです。

株式会社における『株主総会』と似た機関だとイメージすれば分かりやすいかもしれません。

※理事会設置法人では、「法人法に定められている事項及び定款に定められた事項」のみ、社員総会にて決議することができます。(難しいと思いますので、ここは一旦置いておきましょう。)

社員総会の種類

社員総会には2つの種類があります。

社員総会の種類

・定時社員総会
・臨時社員総会

定時社員総会

定時社員総会とは、『年1回必ず開催される社員総会』のことです。
定時社員総会を開くタイミングは、毎年事業年度終了後2〜3ヶ月以内となります。

定時社員総会では主に以下の2点について、決議を行います。(もちろんこれら以外にも決議を行うことは可能です。)

①決算の承認決議
②理事(及び監事)の改選決議

①の決算の承認決議では、法人の決算書等を承認する決議を行います。
決算書を作成するタイミングは、事業年度終了後2ヶ月以内(又は3ヶ月以内)ですので、そのタイミングで社員総会が開催されます。

決算書等を承認した後に確定申告となりますので、開催時期は事業年度終了後2ヶ月以内(又は3ヶ月以内)ということになります。
※確定申告は原則事業年度終了後2ヶ月以内ですが、定款で「定時社員総会を事業年度終了後3ヶ月以内に行う」と定めていれば、特例で1ヶ月延長することもできます。事前に税務署や税理士にご相談ください。

②の理事(及び監事)の改選の決議では、理事の任期満了に伴う改選の決議を行います。
一般社団法人では、理事の任期は最長2年ですので、最低でも2年ごとに改選決議が必要となります。
監事は最長4年の任期となっています。

※理事の任期は「選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時社員総会の終結の時まで」となっています。分かりにくい表現ですが、定時社員総会から2年後の定時社員総会までと考えていただいて大丈夫です。法人設立当初は、原則2回目の定時社員総会で改選と覚えておきましょう。

改選の決議を行い、継続して理事となる場合は再任(重任)となります。
再任の場合でも、登記をしなければいけませんので注意しましょう。(変更があった日から原則2週間以内に登記申請します。)

改選決議をしないと、任期満了で退任となるので気をつける必要があります。

臨時社員総会

臨時社員総会とは、定時社員総会以外に開催される社員総会のことです。

法人の重要事項に変更が生じる場合などに、必要に応じて開催されるため、ある程度緊急性が高い社員総会といえます。
例えば、定款の変更や理事の解任、法人の合併などの事案が発生した場合に招集され、決議を行います。

社員総会の決議について

社員総会では、原則社員1人につき1つの議決権を持っています。
※定款に定めることで、社員ごとに異なる数の議決権を設定することも可能です。

また、社員総会を成立させるためには『総社員の議決権の過半数を有する社員が出席』する必要があります。

社員総会の決議には2つの決議があります。

・普通決議
・特別決議

普通決議では、出席社員の過半数の議決権を持って決議します。(定款で異なる定めとすることも可能です。)

特別決議の場合は、「総社員の半数以上であって、総社員の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって」行います。(これを上回る割合を定款で定めることも可能。)
少しややこしい表現ですが、社員1人1議決権であれば『総社員の議決権の3分の2以上』は必要ということです。(出席ではなく総社員というところに注意)
特別決議は以下に該当する事案の場合となります。

・社員の除名
・監事の解任
・理事、監事または会計監査人の任務懈怠責任の一部免除
・定款の変更
・事業の譲渡
・解散、継続
・吸収合併、新設合併

社員総会の招集について

社員総会の招集は、理事が以下の項目について定める必要があります。

①日時
②場所
③目的
④出席しない社員が書面によって議決権を行使できるとするときは、その旨
⑤出席しない社員が電磁的方法によって議決権を行使できるとするときは、その旨
⑥その他

また、原則社員総会の日の1週間前までに、理事が社員総会開催の通知を出す必要があります。
理事会を設置していない法人の場合は、定款で1週間未満の通知期間を定めることも可能です。
上記の④⑤の場合は、社員総会の日の2週間前までに通知を出さなければいけません。

みなし決議

社員や理事が提案した事案に対し、社員全員が同意した時は、可決した社員総会があったものとみなすことができます。
社員全員の書面か電磁的記録による同意が必要となりますが、社員総会を開かなくてもよいというメリットがあります。

容易に同意を得られる議題の時には、活用できる方法です。

まとめ

以上、一般社団法人の『社員総会』について見てきました。
設立時点では細かいところまで理解する必要はありませんが、大まかには理解しておきましょう。
スムーズな運営を行なっていくためにも、設立後に徐々に理解を深めていくことをお勧めします。

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