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事業再構築の認定支援機関別の採択状況
事業再構築補助金では、公式サイトで『認定支援機関別の応募・採択状況』を見る事ができます。
(公式サイト:採択後の流れ・資料ページの「採択後の資料はこちら」から確認できます。)
認定支援機関別とは、例えば「金融機関」「商工会議所」「税理士」「中小企業診断士」といった、職種別の認定支援機関という事です。
「なるほど、この資料を見れば、どの職種の認定支援機関に頼めば採択率が高いかが分かるというわけか。」
と思われるかもしれませんが、そうとも言い切れません。
補助金の申請支援者には『認定支援機関』と『その他の支援者』が存在しているのです。
この『その他の支援者』の存在を考慮しないと、この資料を正確に読み解くことはできません。
その他の支援者とは
『その他の支援者』とは『認定支援機関ではない支援者』のことです。(ここで説明するために私が勝手にそう呼んでいるだけです。ご了承ください。)
「認定支援機関でない支援者って、その人は支援していいの?」
はい、大丈夫です。
認定支援機関以外の支援者が支援する事も認められています。
ただし、認定支援機関の支援は『マスト』ですので、その場合は両方の支援を受けるという事になります。
「でも、認定支援機関の方が支援能力が高いんじゃないの?」
いいえ、そうとも限りません。
認定支援機関とはそもそも『補助金申請の支援』のための制度ではありません。
認定支援機関とは『中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関』の事であり、その業務の一環として『補助金申請支援』があるという事になります。
「でもその能力があるなら、補助金申請にも長けているんじゃないの?」
いいえ、そうとも限りません。
認定支援機関に登録するには、高いハードルがあるのですが、元々持っている資格次第では、比較的簡単に登録が可能です。
例えば税理士であれば、中⼩企業・⼩規模事業者に対する⽀援に関し、3年以上の実務経験を有し、中⼩企業・⼩規模事業者に対する⽀援に関し、法定業務に係る1年以上の実務経験を有していれば、登録が可能です。
(少しややこしいと思いますが、経験があれば、とりあえず登録が可能ということです。)
簡単に言うと「補助金申請支援はやらないが、登録はできる」という事が可能です。
認定支援機関になると、補助金以外にも中小企業者の支援ができますので、『認定支援機関=補助金支援専門』というわけではありません。
(むしろ経済産業省として経営改善計画策定支援を認定支援機関のメイン業務と考えているようですので、補助金申請は認定支援機関の業務の一部でしかありません。)
また、元々持っている資格次第では、『認定支援機関に登録するハードル』はグッと高まります。
認定支援機関に登録するためには、時間と労力が非常にかかります。
ですので、『補助金支援専門だが認定支援機関ではない』という支援者も大勢いるのです。
少しややこしくなりましたので、まとめますと
『認定支援機関=補助金支援が得意である』というわけではありません。
『認定支援機関ではない補助金支援者=能力が低い』というわけではありません。
認定支援機関別の採択状況を読み解く
それでは本題の認定支援機関別の採択状況を読み解いていきましょう。
(ここでは第7回公募の資料を見ていきます)
金融機関
まず、最も多い認定支援機関は『金融機関』です。
また、採択率も約60%程度と優秀です。
では『金融機関』に支援依頼をするべきでしょうか?
補助金申請支援は金融機関の得意分野でしょうか?
これは金融機関によるとは思いますが、おそらくこう言われるのではないでしょうか?
「確認書は出せますが、事業計画書はそちらで作成してもらえますか?」
『確認書』とは認定支援機関が作成する『事業再構築補助金の必須申請書類』です。
『認定支援機関が事業計画書を確認して、十分なレベルにある』と判断したことを確認する書類です。
この確認書がないと事業再構築補助金に申請ができませんので、『その他の支援者』だけでは申請ができないのです。
事業計画書の作成は非常に大変で時間もかかりますので、通常の金融機関ではそこまでしてくれない事が多いでしょう。(補助金申請専門の部門があれば別ですが。)
つまり、『金融機関に依頼した場合は、その他の支援者にも頼んでいる』場合が多いと思われます。
ですので、採択率が高くなっているのではないでしょうか?
その他の支援者が関わっているかは公開されていませんので分かりませんが、そのような推測が可能です。
税理士関係
次に多いのが『税理士関係』ですが、採択率が38%とかなり低くなっています。
では税理士は補助金支援が苦手なのでしょうか?
いいえ、この数字はそうとも言えません。
先ほど解説した通り、『税理士の中には補助金はしないが認定支援機関に登録している』という人が多くいます。
その結果
「よし、事業再構築補助金に申請してみるぞ。顧問の税理士が認定支援機関で、確認書は出せるらしいから、事業計画書は自分で書いてみよう。」
というパターンが多いようです。
事業再構築補助金は事業計画書のレベルが高いですので、なかなかご自身で作成するのは難しいかと思います。
また確認書を発行する税理士も、補助金が得意でなければ、その計画書が十分なレベルに達しているか判断ができません。
しかし、顧問先の頼みであれば断る事も難しく、とりあえず確認書を発行してしまう事もあるようです。
その結果、税理士関係は『応募件数が多く採択率が低い』という結果になっているのでしょう。
ですので税理士に依頼する場合は、補助金を得意としているかで判断すると良いかと思います。
商工会・商工会議所
次に多いのが『商工会・商工会議所』です。
こちらは採択率45%程度とやや低い数字となっています。
この数字の理由は『商工会・商工会議所』では、あまり多くの時間を割いてもらえないという事だと思います。
商工会・商工会議所に依頼するパターンは2つあると思います。
1:自分で作成してアドバイスを受ける。
2:その他の支援者と作成し、商工会・商工会議所に確認書を依頼する。
この1のパターンの時は、なかなか上手くいかない事も多いようです。
と言いますのも、商工会・商工会議所は業務が多忙で、あまり予約が取れない事も多々あります。
事業計画書の作成のためには綿密な打ち合わせを何度も繰り返す必要がありますが、商工会・商工会議所ではそれが難しくなります。(商工会・商工会議所ごとによると思いますので、ご確認ください。)
結局1時間のアドバイスを2〜3回しか受けれなかった、という事になれば採択率は下がってしまうと思います。
その他
その他の認定支援機関では、『中小企業診断士』『民間コンサルティング会社』が応募件数も多く、採択率も55%程度と高くなっております。
『中小企業診断士』『民間コンサルティング会社』は補助金専門でやっている認定支援機関が多いため、比較的安心して依頼できるのではないでしょうか?
しかし、あまり大手は正直おすすめできかねます。
と言いますのも、事業計画書の作成は一度にそんなに沢山はできないからです。
大手ですと支援依頼も多いため、沢山の案件を抱えることになります。
そうなりますと、ひとつひとつのクオリティが下がるので、採択率は下がっていきます。
あまり大きな声では言えませんが、事業再構築補助金の公式サイトで『認定支援機関実績一覧』が公開されています。
そこには、認定支援機関ごとの採択数と不採択数が記載されていますが、かなり低い採択率の大手認定支援機関もありますので、確認してみることをおすすめします。
(公式サイト:採択事例紹介の認定支援機関の支援実例ページの「認定支援機関実績一覧」から確認できます。)
また、お恥ずかしながら『行政書士』の採択率も43%と低い数字となっております。
これは元々行政書士は補助金申請を得意とする人が少ないという事に起因していると思われます。
認定支援機関に登録したものの、基礎知識の欠落から、レベルの高い事業計画書を作れないのかもしれません。
当事務所も行政書士事務所ですが、幸いにも支援採択率は80%を超えております。
ですがこれに慢心する事なくこれからも精進していきたいと思います。
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