
目次
一般社団法人設立の要件
今回は一般社団法人を設立するための要件(条件)について、解説します。
一般社団法人を設立するには、株式会社とは違う要件もありますので、確認しておきましょう。
本ページでは、設立のための最低限の基本要件を解説していきます。
当事務所では福岡県にて一般社団法人設立のサポートをしております。
お気軽にご相談ください。
一般社団法人設立の要件 一覧
まずは、一般社団法人設立の要件を一覧で確認しておきましょう。
設立の基本の要件となりますので、最低限ここはクリアしておく必要があります。
その上で、希望する法人組織とするためには、さらに細かい内容を確認しなければいけませんが、本ページでは基本要件のみ解説します。
以下、要件一覧となります。
・人の要件
・場所の要件
・資金の要件
・手続きの要件
やはり「ヒト、モノ、カネ」が気になるところだと思います。
ひとつずつ確認していきます。
人の要件
人の要件(簡易版)
・社員が2名以上いること。
・理事が1名以上いること。
一般社団法人において、まず重要なのが人の要件です。
一般社団法人は『人』を主体とする法人という、大きな特徴があります。
(一方で一般財団法人は『財』を主体とする法人です。)
社員が2名以上いること
まず、一般社団法人は『設立時社員』が『2名以上』いなければ設立ができません。
(株式会社や合同会社は1名でも設立可能なため、ここが大きな相違点のひとつとなります。)
『社員』とは、通常の会社でいうところの『従業員』とは違います。
一般社団法人では『社員総会』が、法人の最高意思決定機関となりますが、社員とはその議決権を持つ人になります。
株式会社でいうところの『株主』に近い存在と認識してもらえれば、イメージしやすいかもしれません。
まずは、この重要な立場の『社員』が2名以上いることが求められます。
一般社団法人を作るのに、同じ志や目的を持った人が2名以上集まる必要があるということです。
なお、『社員』となるための資格は法律上は特になく、未成年者や法人でも社員となることができます。
(定款で、社員となるための資格を自由に定めることは可能です。)
理事が1名以上いること
次に『理事』が『1名以上』いることが要件となります。
『理事』とは、法人の運営を担う役員のことです。
株式会社でいう取締役のようなイメージです。
『理事』には『社員』がなることができますので、『社員』2名のうち1名以上が理事になれば問題ありません。
ただし法人は理事にはなれません。
『社員』が法人しかいない場合は、理事になれませんのでご注意ください。
また、一般法人法で理事になれない者を以下のように定めていますので、該当する可能性がある方は確認しておきましょう。(同法65条1項)
①法人
②一般法人法あるいは関連する法律に違反して刑に処せられ執行等を終え、2年を経過しない者
③上記②に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
場所の要件
場所の要件とは、一般社団法人の『主たる事務所』をどこに設置するかという点です。
実は『主たる事務所』は、設置場所に特に制限はないのですが、実務ではここで問題が発生することがあります。
一般社団法人設立時の法律上は問題なくても、物件のオーナーや管理組合との兼ね合いで問題となる可能性を考えておかなければいけません。
賃貸物件の場合は、オーナーに事業用として法人の事務所使用していいかの確認が必要です。
集合住宅の持ち物件の場合は、同様の確認が管理組合に必要となります。
また、一軒家の持ち家の場合でも住宅ローンを組んで購入している場合は、ローンの規定に反していないかの確認が必要となります。
これらの確認は、していなくても設立登記自体はできてしまいますので、必ず確認するように注意しましょう。
また、バーチャルオフィスでの登記も可能ですが、バーチャルオフィスですと法人口座を作る際にマイナス要因となる可能性があるので、この点も注意しましょう。
資金の要件
資金の要件は、実はありません。
一般社団法人では、設立時社員が出資を行う必要はありません。
この点は株式会社と違い、設立のハードルが下がるメリットといえるでしょう。
ただし、設立に際して法定費用というものはかかってきます。
定款認証手数料や登録免許税などで『11万2千円』ほどは必要となりますので、注意しましょう。
※一般社団法人設立時の法定費用について詳しくはこちら➡︎『一般社団法人設立時の法定費用について詳しく解説』
手続きの要件
手続きの要件(簡易版)
・設立登記
・定款認証
手続きの要件と題しましたが、一般社団法人設立時の手続きについて簡単に説明しておきます。
紹介順が前後しますが、ゴールの手続きである登記から説明します。
設立登記
まず『何をもって設立とするか』というと、『登記』をすることで『一般社団法人設立』となります。
登記とは法務局に法人を登録することです。
法務局に対し、『設立登記を申請した日』が『一般社団法人設立の日』となります。
この『設立登記』が、設立のための最終目的となります。
※設立後にも、税務署への設立届など多くの手続きがありますが、『設立』という意味では一旦のゴールとなります。
定款認証
次に、この『登記』をするために必要となる書類の中に『認証を受けた定款』というものがあります。
『定款』とは法人の基本的事項を定めたもので、『法人の憲法』ともいえる書類です。
この定款に公的な認証を受ける手続きのことを、『定款認証』といいます。
公証役場という機関において、公証人という人に定款を確認してもらい認証を受けます。
定款に間違いがあってはいけませんので、とても重要な手続きになります。
以上、一般社団法人設立の手続きである『定款認証』と『設立登記』についてでした。
まとめ
以上、一般社団法人設立のための基本的な条件について見てきました。
一般社団法人を作るには、やはり『人』。
設立時社員が2名以上必要という点が、最も特徴的ではないでしょうか。
しっかりと要件を確認して、計画的に設立を目指しましょう。
当事務所では福岡県にて一般社団法人設立のサポートをしております。
お気軽にご相談ください。
