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ものづくり補助金とは、どんな補助金でしょう?
ものづくり補助金は、一体どんな『事業計画』であれば対象となるのでしょうか?
ものづくり補助金は、『革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援』する補助金なのですが、いまいち意味が分かりにくいかと思います。
そこで今回は『革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上』に焦点をあてて、解説していきます。(2023年4月時点)
事業分野は2つ
公募要領にはひっそりとしか記載がないのですが、実は『事業分野』が分かれており、下記の2つに分類されています。
- 【試作品開発・生産プロセス改善】
- 【サービス開発・新提供方式導入】
これらは、電子申請段階で選択する必要がありますので、もっと公募要領にしっかりと記載しておいてほしいのですが、この2つのうちのどちらかで申請をするという分類です。
先ほどの『革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上』をこれらに当てはめると
- 『革新的サービス開発』➡︎【サービス開発・新提供方式導入】
- 『試作品開発・生産プロセスの改善』➡︎【試作品開発・生産プロセス改善】
- 『生産性を向上』➡︎両方
ということになります。
まずはこの事業分野を意識すると、仕組みが分かりやすくなってきます。
かつての公募では
・サービス開発・新提供方式導入➡︎『革新的サービス』
・試作品開発・生産プロセスの改善➡︎『ものづくり技術』
という類型に分類されていました。
なぜかこのような呼び方はなくなってしまいました。(2023年4月時点)
革新的サービス開発とは
それではまず、『革新的サービス開発』から解説します。
『革新的サービス開発』とはなんでしょうか?
『革新的』といわれると、すごくハードルが高い気がしますが、ここでいう『革新的』の意味をまずは掴む必要があります。
革新とは
ものづくり補助金における『革新的(革新性)』とは、実は公募要領に具体的な記載があるわけではないのですが、一般的には下記のようにいわれています。
『地域や業界内において一般に取り入れられていないこと』
ですので、『当社にとって初めてのもの』であり、『地域や業界内にとって一般的でないもの』である必要があります。
何を持って『一般的でない』とするかは特に基準があるわけではないですが、「業界内では当たり前となっているサービスを、遅ればせながら当社でも導入する」場合は、該当しないということが分かります。
『全く新しいサービス』である必要はないですが、『業界内で一般的ではない』必要はあるということです。
革新的サービスの事例
実際の採択事例を見てみましょう。
アレルギーに対応したパンの製造
給食等用にパンを製造していた会社が、新たにアレルギーに対応したパンを製造するための設備導入の計画という事例があります。
アレルギーに対応したパンの製造は、一般的ではないでしょうから、革新的サービスといえるかと思います。
もう一つの革新とは
ここで、『革新』と認識されるためのもう一つの要素を解説します。
「え、新しいことをすれば『革新』になるんじゃないの?」
と思われたかもしれませんが、ものづくり補助金では、それだけでは『革新性』に足りません。
『経営革新』という言葉は聞かれたことはあるでしょうか?
『経営革新計画』や『認定経営革新等支援機関』など、中小企業の経営においてよく耳にする言葉かもしれません。
『経営革新』とは中小企業等経営強化法で『新商品の開発や生産、商品の新たな生産の方式の導入等新たな事業活動を行うことにより、経営の相当程度の向上を図ること』と、されています。
つまり、『新しい事』をするだけでなく『経営の向上』も『革新に含まれる』ということです。
ですので『革新性』をアピールするには『経営が向上すること』もアピールする必要があります。
経営の向上とは
では、『経営の向上』はどのようにアピールすればよいのでしょうか?
それは下記の2点においてアピールすることになります。
- 付加価値の向上
- 効率の向上
付加価値の向上は、『売上増加』のための項目です。
効率の向上は、『コスト削減』のための項目です。
付加価値の向上はさらに下記の項目に分けられます。
- 新規顧客層への展開
- 商圏の拡⼤
- 独⾃性・独創性の発揮
- ブランド⼒の強化
- 顧客満⾜度の向上
- 価値や品質の⾒える化
- 機能分化・連携
- IT 利活⽤<付加価値向上に繋がる利活⽤>
効率の向上はさらに下記の項目に分けられます。
- サービス提供プロセスの改善
- IT 利活⽤<効率化に繋げるための利活⽤>
実はこれらの項目は『中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン』に記載されたものとなります。
ものづくり補助金の公募要領には「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインを参考に事業計画を作成してください」との記載がありますので、これらの項目を記載することで『革新』をアピールすることができます。
項目の詳しい中身については『中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン』を、読まれることをおすすめします。
※これらの項目全てに当てはまる必要はありません。ただしいくつかの項目に当てはまることをアピールした方がよいでしょう。
サービスではなく提供方式の導入でもよい
ここまで『革新的サービス』ということで、『提供するサービス』のことを想定しておりましたが、それらだけでなく『新たな提供方法』の導入も対象となります。(事業分野に『サービス開発・新提供方式導入』と記載されていますね。)
提供方法の場合も、革新の考え方は同じです。
例えば、実店舗での提供からキッチンカーでの提供への変更が事例として挙げられます。
※キッチンカーの購入費は補助対象外ですが、改装費は対象となります。
また、サービス内容も提供方法も、両方新しくする場合も、もちろん対象となります。
試作品開発とは
それでは次に『試作品開発』について、解説していきます。
試作品開発に関しては、『中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針』に関する取り組みであることが求められています。(以前の”ものづくり技術”にあたります。)
また、『生産プロセスの改善』も同じく『中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針』に関する取り組みであることが求められています。
中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針とは
『中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針』とは、ものづくりの『高度化』の観点から、『技術の方向性』や『開発手法の情報』を提示したものとなります。
この指針には12の技術が指定されており、この中から事業者が取り組む技術に関しての指針に沿った事業計画書の作成が必要となります。
- デザイン開発に係る技術
- 情報処理に係る技術
- 精密加工に係る技術
- 製造環境に係る技術
- 接合・実装に係る技術
- 立体造形に係る技術
- 表面処理に係る技術
- 機械制御に係る技術
- 複合・新機能材料に係る技術
- 材料製造プロセスに係る技術
- バイオに係る技術
- 測定計測に係る技術
ですので、『製造業』の方はこちらの事業分野で申請を検討することとなります。
だたし、製造業だからといって、こちらの指針で申請しないといけないという訳ではありません。
製造業でも先ほどの『中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン』に沿った事業計画書を作成することも可能です。
まとめ
ものづくり補助金の『革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上』を理解するには、事業分野(以前あった「革新的サービス」「ものづくり技術」)について考えると、分かりやすくなります。
- 『革新的サービス開発』➡︎サービス開発・新提供方式導入
- 『試作品開発・生産プロセスの改善』➡︎試作品開発・生産プロセス改善
- 『生産性を向上』➡︎両方
その上で、『革新性』や『ガイドラインや指針に沿っているか』を考えていくと、事業計画作成の骨子ができていくのではないでしょうか?
まとめますと、革新性のある『サービス』『商品』『提供方法』『生産プロセス』等に取り組み、『生産性が向上』すれば、ものづくり補助金の対象となってくるということになります。
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