処分制限期間を甘く見ないようにしましょう

今回は、事業再構築補助金の財産の『処分制限期間に注意!』というお話をします。
この話題は応募申請時には、見落とされがちな論点ですので、事前にしっかりと把握しておく必要があります。
甘く見ると、あとで後悔することになるかもしれません。

補助金の財産処分制限とは

補助金では『財産処分制限』という規制があり、法律によって補助金により得た財産の処分には制限がかけられます。
簡単にいうと、『補助金をもらって得た財産は勝手に処分等してはいけない』ということですが、詳しくはこちらのページで解説しています。
➡︎『事業再構築補助金の財産処分制限とは』

細かい規定は、補助金ごとに決められていますので確認が必要となりますが、事業再構築補助金では特に注意すべき規定のひとつです。

なぜ事業再構築補助金では注意が必要なのか?

では、なぜ特に事業再構築補助金では、この財産処分制限に注意をしなければいけないのでしょうか?

その理由は『処分制限期間』にあります。
勝手に処分してはいけない期間というのは、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)を準用」することになっております。
いわゆる『法定耐用年数』です。

ですので、その財産を入手してから法定耐用年数が経過するまでは、制限がかけられます。

例えば、ものづくり補助金ですと、機械設備の導入がメインの補助金ですので、耐用年数は5〜10年あたりになることが多いかと思います。

また、小規模事業者持続化補助金で改装工事を行なった場合は、「建物附属設備」として15年程度の耐用年数となることもあるでしょう。

しかし、事業再構築補助金の場合、『新築工事』も補助対象となってきます。
新築工事が補助対象となる補助金は非常に珍しいのですが、新築の建物の場合は耐用年数が非常に長期になる可能性があります。

例えば、鉄筋コンクリート造の建物の場合で耐用年数が50年となった場合は、50年間もの間、財産を勝手に処分することができないということです
そして、処分を行った場合は補助金の返還をしなければいけなくなるかもしれません。

50年後のことなど予想もできませんので、その間に補助金の返還がありえるという事を含めて計画を立てておく必要があるでしょう。

会計処理は申請通りにする必要がある

また、事業再構築補助金の実績報告時には『取得財産等管理台帳』という様式を提出しなければいけません。
この取得財産等管理台帳にて、固定資産の「区分」「金額」「耐用年数」などを、提出するのですが、会計処理はこの申請通りにしなければいけないとなっております。

ですので、実績報告前に顧問税理士に耐用年数等の確認をしておかなければいけません。

しかし、ここで問題が生じます。
事業再構築補助金の交付申請では、「区分」を訳の分からない方法で分けるように指定されることがあります。

例えば、1枚の見積書に複数の機械と搬入設置費が記載されていた場合、当然のように「機械装置費」で計上していても、一部の機械と搬入設置費のみ、「建物費」で計上するように指示されることがあります。(なぜ?と思いますが、そう指示されることがあります)
これは、税理士に確認しても「そんなことはない」という分け方を指示されることがあるのです。

そうなると、会計処理と申請内容に違いが生まれてしまいますが、一体どうなるのでしょうか?
このあたりは、まだ新しい補助金ですので、運営にもかなり改善の余地があるものと思われます。

まとめ

以上、事業再構築補助金の『処分制限期間に注意!』というお話をしました。
耐用年数が50年にもなると、かなりの長期間に渡って処分等が制限されます。
このことを、よく考慮して計画を立てることをお勧めします。

当事務所では、補助金の申請支援を承っております。
認定支援機関ですので、お気軽にお問い合わせください。

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