事業場内最低賃金を確認しておきましょう

今回は、補助金申請において、頻出するワード『事業場内最低賃金』について解説していきます。
補助金の公募要領では、当たり前のように出てくるワードですが、「イメージはつくけど、結局どういうこと?」と思われる方も多いと思います。

事業再構築補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金では必要な知識になりますので、しっかりと確認しておきましょう。

事業場内最低賃金とは

そもそも、補助金における事業場内最低賃金が何なのかについては、ものづくり補助金のQ&Aに、言及がされています。以下をご参照ください。

事業場内最低賃金とは、補助事業実施場所で働く従業員に適用する時給額(月給制などの場合は時給換算した額)のうち最も低い額となります。

ものづくり補助金Q&A

事業内最低賃金ですので、『事業場内で最も低い賃金』というイメージを持っているかもしれませんが、それは給与を『時給換算』して、判断する必要があるということです。

元々時給制の方は問題ありませんが、月給制等の場合は時給換算が必要です。
どのような計算式で時給換算するかは、厚生労働省のHPから確認することができます。以下をご参照ください。

○事業場内最低賃金等の計算方法について
①日給の場合:1日の所定労働時間で、賃金額を除算して時間あたりの賃金額を算定します。
②月給の場合:1ヶ月の所定労働時間で賃金額を除算して時間あたりの賃金額を算定します。
③歩合給を含む場合:歩合給については、申請直近の1年間(雇入れ後1年に満たない者については少なくとも3月間)の合計額を、その間の総実労働時間で除し、除した額に、固定給の時間当たりの額を加えて算定します。
※以下の手当は最低賃金に算入しません。
臨時に支払われる賃金、1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)、時間外労働・休日労働・深夜労働(22 時から5時までの労働)に対する割増賃金、精皆勤手当、通勤手当、家族手当

厚生労働省HP

イメージ的には基本給を所定労働時間で割って、時間あたりの賃金額を算定する形です。
ですので、元々所定労働時間をきちんと決めておかなければいけません。

事業場内最低賃金の引き上げとは

補助金ではよく「事業場内最低賃金を+〇〇円引き上げること」といった要件が記載されていることがあります。
先ほどの計算により事業場内最低賃金を算定し、その金額を+〇〇円(時給あたり)引き上げる必要があるということです。

では、一体何人の賃金を引き上げる必要があるのでしょうか?

事業場内最低賃金の引き上げ対象者

様々な補助金では、原則、事業場内最低賃金の引き上げ対象者は、『事業場内最低賃金に該当する者全員』となることが多いかと思います。(補助金によって要件が違う可能性がありますので、正確には申請する補助金の公募要領をご確認ください。)

では、『事業場内最低賃金に該当する者全員』とはどういうことでしょうか?
少しややこしいですので、例を挙げて説明していきます。

前提条件:
事業場内最低賃金を+50円上げる必要がある時

例1:
従業員A、B、Cの3名がいて、それぞれの給与の時給換算額が
A 1,000円
B 1,050円
C 1,100円
の場合は、Aの賃金だけを1,050円以上に上げればよい。

例2:
A 1,000円
B 1,000円
C 1,100円
の場合はAとBの賃金を1,050円以上に上げればよい。

例3:
A 1,000円
B 1,030円
C 1,100円
の場合はAとBの賃金を1,050円以上に上げればよい。

となります。
いかがでしょうか?例3の場合は少し注意が必要です。
Aが1,000円から1,050円に上げるのは当然ですが、それに伴いBも1,030円から1,050円に上げなければいけません
元々の事業場内最低賃金から+50円以内に該当するものは、その差額分は賃金を上げる必要があるということです。

まとめ

今回は補助金における事業場内最低賃金の考え方について、確認しました。
簡単なようで、意外に気をつけないといけないポイントですので、事前にしっかりと把握して、補助金の申請を検討しましょう。

当事務所では、補助金の申請支援を承っております。
認定支援機関ですので、お気軽にお問い合わせください。

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