目次

実績報告に必要な証拠書類

今回は事業再構築補助金の『実績報告』で必要となる『証拠書類』の解説です。

事業再構築補助金の実績報告では、経費区分ごとに必要な証拠書類が違います。
それぞれの経費区分でどんな書類が求められているかを、解説していきます。
(証拠書類以外にも、申請書等の書類は必要です。このページでは証拠書類のみに関して解説しています。)

この記事での解説は令和4年11月第7版の実績報告書等作成マニュアルの内容に基づいて解説をしています。
実績報告のマニュアルは頻繁に改正されていますので、ご自身が実績報告をされる際は必ず最新のマニュアルを確認してください。

古瀬行政書士事務所では、交付申請や実績報告のサポートを承っております。
認定支援機関ですので、安心して、お気軽にお問合せください。
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区分関係なく必要な証拠書類

まずは「区分に関係なく」必要な証拠書類一覧です。

・出納帳のコピー
・通帳のコピー

出納帳のコピー

補助事業の支払いに関する部分の出納帳のコピーが必要となります。
補助事業は原則銀行振込ですので、預金出納帳ということになります。

通帳のコピー

補助事業の支払いで使用した銀行口座の通帳のコピーが必要となります。
支払いのあったことが分かるページのコピーに加え、金融機関名、支店名、種別、口座番号、口座名義が分かるページのコピーも必要です。
事業者自身の名義(法人の場合は法人口座、個人事業主の場合は個人名義)である必要があります。

建物費の証拠書類一覧

建物費の証拠書類の一覧です。
一覧とするため簡略化しています。
ひとつずつ簡単に解説していきます。

・見積依頼書
・見積書
・相見積書
・契約書
・重要事項説明書
・納品書
・検収書
・完了後の写真
・工事完了後の図面
・工事費内訳書
・請求書
・代金支払い済みを示す証票
・領収書
・預り金元帳
・源泉徴収税の納付書のコピー

見積依頼書

文字通り、見積書を発行してもらうための依頼書です。
「補助事業者」が「建設業者」に対して発行する書類です。
相見積書がある場合は、相見積書の分の見積依頼書も必要となります。

見積書

「建設業者」が「補助事業者」に対して発行する書類です。
かなり多くの注意点があるため、事務局から補正が入りやすい書類です。

相見積書

発注先あたり50万円以上(税抜)の見積額になる場合は、相見積書が必要となります。
※第10回公募以降は、本見積と相見積合わせて3者以上必要となります。
本見積書と内容が一致する必要がありますので、修正が多い書類です。
交付決定時と内容に変更がない場合は、添付は不要となります。

また、相見積書の発行がどうしてもできない場合は、代わりに業者選定理由書を提出します。

契約書

建設工事に関する契約書となります。
小規模な業者や工事では契約書も交わさないことも多いですので、注意しましょう。(契約書の発行には印紙など注意すべき点も多いです。)

また、契約書に代わって下記の書類でも大丈夫です。
・発注書または注文書と、請書または注文確認書

※建物費では契約書の提出が必要となりました。(2023年9月時点)

発注書と注文書は、ほぼ同じものです。
「補助事業者」が「建設業者」に対して発行する書類で、工事を依頼する書類です。

それに対して請書または注文確認書(この2つもほぼ同じものです)は、注文を承ったことを証明する書類となります。
「建設業者」が「補助事業者」に対して発行する書類です。

重要事項説明書

この書類は「新築」の場合のみ、必要となります。
建築事務所に必ず発行してもらいましょう。

納品書

納品書または引渡書または完了報告書となりますが、いずれも「工事が完了したことを報告する書類」となります。
「建設業者」が「補助事業者」に対して発行する書類です。

検収書

納品書等をうけて「工事がしっかりと完了していることを確認したことを示す書類」となります。
「補助事業者」が「建設業者」に対して発行する書類です。

完成後の写真

単価50万円(税抜)以上の財産となる場合は、完成後の写真が必要となります。
補助事業以外での使用を禁止するシール等を貼る必要があります。

工事完了後の図面

工事前と変更がない場合は、交付申請の時の図面で大丈夫です。
新築の場合は、平面図と立面図が必要となります。
改修等であれば、平面図で大丈夫です。
設備工事だけの場合は、配管図または配線図が必要となります。

忘れないように建設業者に作成してもらいましょう。

工事費内訳書

工事完成後の工事の費用の内訳書または明細書となります。
最終的な費用の内訳を記載した書類となります。
建設業者に発行してもらいましょう。

請求書

建設業者からの請求書となります。
複数回に分けて支払いを行い、請求書が複数ある場合は全て必要です。
他の書類との金額の整合性に気をつけましょう。

代金支払い済みを示す証票

銀行振込時の「振込金受領書」や「支払い証明書」等となります。
ネット銀行の場合は、代金支払い済みがわかる取引画面等の画面コピーが必要です。
現金払いは原則認められていません。
またクレジットカード払いも事前に事務局への相談が必要となります。

領収書

領収書は存在する場合のみで大丈夫です。
支払いに関する証拠は「振込金受領書」等で確認されますので、領収書は重視されません。
不正が起こりやすい書類ですので「現金払いでも領収書をもらっていれば大丈夫」という考えは、補助金の実績報告では通用しないと考えましょう。

預り金元帳

個人事業主と取引を行い、源泉徴収を行なった際は必要となります。
個人事業主と取引をする際は、源泉徴収が必要となるか注意しましょう。

源泉徴収税の納付書のコピー

こちらも個人事業主と取引を行い、源泉徴収を行なった際は必要となる書類です。

その他の必要証拠書類

その他にも、ケースによっては下記の書類を求められる可能性があります。
・抵当権設定契約書
・設計図書
・建築確認申請書
・検査済証
・工事写真
・作業工程表
・社内決裁資料
・入出金伝票等
・総勘定元帳
・通帳の写し
・固定資産台帳
・登記事項証明書

通帳の写しは、経費区分関係なく必要となるマストの書類です。

一時移転経費

建物費において「一時移転に係る経費」を計上している場合は下記の書類が必要となります。
・一時移転していることが分かる写真
・退去したことが確認できる書類
・移送先、発送先のリスト

機械装置・システム構築費の証拠書類一覧

次は「機械装置・システム構築費」の証拠書類の一覧です。
簡単に解説していきます。

・見積依頼書
・見積書
・相見積書
・契約書
・納品書
・検収書
・設置後の写真
・請求書
・代金支払い済みを示す証票
・領収書
・預り金元帳
・源泉徴収税の納付書のコピー

見積依頼書

業者に見積書は発行してもらうための、依頼書となります。
「補助事業者」から「建設業者」に対して発行する書類です。

見積書

業者に発行してもらう見積書です。
交付決定時と内容が変わらなければ同じものを提出します。

相見積書

発注先ごとに50万円(税抜)以上となる場合は、相見積書が必要となります。(商品ごとでは無いことに注意)
非常に補正の多い書類です。

正当な理由で相見積書が取得できない場合は、代わりに業者選定理由書を提出します。

契約書

業者との契約書が必要です。
少額の機械の場合は契約書を結ばない場合も多いので、注意しましょう。

また、契約書の代わりに「注文書と注文確認書」の組み合わせでも大丈夫です。
補助事業者から注文書を発行し、それに対して業者が注文確認書を発行します。
こちらの組み合わせの方が、業者も発行しやすい場合が多いです。

納品書

商品の納品が完了したら、業者に納品書を発行してもらいましょう。

検収書

納品を受けたことに対して、商品の検収を行い、検収書を発行しましょう。
補助事業者が発行する書類です。

設置後の写真

単価50万円(税抜)以上の財産の場合は、写真が必要となります。
製造番号がある場合は、製造番号の部分の写真も撮りましょう。
補助事業以外での使用を禁止することを示すシール等も貼らなければいけません。

システム構築の場合は、システムのトップ画面のスクリーンショットが必要です。

請求書

業者から発行された請求書が必要です。
金額等の整合性に注意しましょう。

代金支払い済みを示す証票

代金の支払いは原則銀行振込のみが認められています。
「振込金受領書」や「支払い証明書等」が必要です。
原則現金払いは認めらていません。

領収書

存在する場合のみで大丈夫です。
支払いの証拠書類は「代金支払い済みを示す証票」で確認されますので、領収書は重視されていません。

預り金元帳

個人事業主相手の場合は、源泉徴収が必要な場合があります。
源泉徴収を行なった際は、預り金元帳を作成しましょう。

源泉徴収税の納付書のコピー

同じく源泉徴収を行なった取引の際は必要となる書類です。

技術導入費の証拠書類一覧

次は「技術導入費」の証拠書類の一覧です。
簡単に解説していきます。
※「建設費」「機械装置・システム構築費」と被る部分は解説を省略します。

・見積書
・契約書
・指導契約書
・専門家業務報告書
・請求書
・代金支払い済みを示す証票
・領収書
・預り金元帳
・源泉徴収税の納付書のコピー

契約書

知的財産権等を他社から取得する際は必要となります。
こちらも「発注書と請書」の組み合わせでも代用できます。

専門家業務報告書

知的財産権等を導入する際に、専門家と技術指導の契約をする際は必要となります。
様式があります。

専門家経費の証拠書類の一覧

次は「専門家経費」の証拠書類の一覧です。
簡単に解説していきます。
※「建設費」「機械装置・システム構築費」と被る部分は解説を省略します。

・見積書
・相見積書
・専門家就任承諾書
・専門家業務報告書
・旅費明細書
・宿泊先の領収書
・航空券、切符領収書等の旅費の証明となる書類
・請求書
・代金支払い済みを示す証票
・領収書
・預り金元帳
・源泉徴収税の納付書のコピー

相見積書

専門家への謝金単価が規定の金額より高い場合は必要となります。
また、見積書も規定単価以下の場合は、不要となります。

規定単価は下記のとおりです。
①大学教授、弁護士、弁理士、公認会計士、医師等:1日5万円以下
②准教授、技術士、中小企業診断士、ITコーディネーター等:1日4万円以下

また、交付決定時と変更がない場合は、本見積書のみで大丈夫です。

専門家就任承諾書

参考様式がありますので、参考様式に従って作成します。

専門家業務報告書

参考様式がありますので、参考様式に従って作成します。
謝金がなくても旅費を支給する場合は必要です。

旅費明細書

旅費を支給する場合は必要となります。
参考様式がありますので、参考様式に従って作成します。

宿泊先の領収書

宿泊が発生する場合は必要となります。
領収書の中に事業者名がない場合は、参考様式の宿泊証明書も提出が必要です。

航空券、切符領収書等の旅費の証明となる書類

航空券や切符領収書も必要となりますので、必ず保管しておきましょう。

運搬費の証拠書類一覧

次は「運搬費」の証拠書類の一覧です。
簡単に解説していきます。
※「建設費」「機械装置・システム構築費」と被る部分は解説を省略します。

・見積書
・移送先、発送先のリスト
・請求書
・代金支払い済みを示す証票
・領収書
・預り金元帳
・源泉徴収税の納付書のコピー

移送先、発送先のリスト

移送先や発送先のリストを作成して提出します。
様式は任意のもので大丈夫です。

クラウドサービス利用費の証拠書類の一覧

次は「クラウドサービス利用費」の証拠書類の一覧です。
簡単に解説していきます。
※「建設費」「機械装置・システム構築費」と被る部分は解説を省略します。

・見積書
・契約書
・請求書
・代金支払い済みを示す証票
・領収書
・ログイン後の登録者情報の画面のスクリーンショット
・開発アプリのスクリーンショット
・預り金元帳
・源泉徴収税の納付書のコピー

契約書

契約書は「発注書or注文書+請書or注文確認書」の組み合わせでも代用が可能です。

ログイン後の登録者情報の画面のスクリーンショット

クラウドサービスにログインをして、登録者情報の画面のスクリーンショットが必要です。
登録者は事業者である必要があります。

開発アプリのスクリーンショット

開発したアプリケーションがある場合は、トップページのスクリーンショットが必要となります。

外注費の証拠書類一覧

次は「外注費」の証拠書類の一覧です。
簡単に解説していきます。
※「建設費」「機械装置・システム構築費」と被る部分は解説を省略します。

・見積書
・契約書
・納品後の写真
・納品書
・検収書
・請求書
・代金支払い済みを示す証票
・領収書
・預り金元帳
・源泉徴収税の納付書のコピー

契約書

契約書は「発注書or注文書+請書or注文確認書」の組み合わせでも代用が可能です。

納品後の写真

単価50万円(税抜)以上の財産の場合は写真が必要です。
納品後の加工品等の写真に、補助事業以外で使用禁止とするシール等を貼り付けて撮影します。
設計費を単体で計上している場合は、納品された図面を提出します。

納品書

納品書または引渡書が必要です。
また、「納品書+検収書」の代わりとして、事業完了通知書の提出でも大丈夫です。
事業完了通知書は参考様式があります。

知的財産権等関連経費の証拠書類の一覧

次は「知的財産権等関連経費」の証拠書類の一覧です。
簡単に解説していきます。
※「建設費」「機械装置・システム構築費」と被る部分は解説を省略します。

・見積書
・契約書
・公的機関の書類
・請求書
・代金支払い済みを示す証票
・領収書
・預り金元帳
・源泉徴収税の納付書のコピー

公的機関の書類

知的財産権等に係る公的機関の書類が必要となります。
補助事業期間内に出願手続きを完了したことがわかる必要があります。

広告宣伝・販売促進費の証拠書類の一覧

次は「広告宣伝・販売促進費」の証拠書類の一覧です。
簡単に解説していきます。
※「建設費」「機械装置・システム構築費」と被る部分は解説を省略します。

・見積書
・契約書
・納品書または完了報告書
・検収書
・請求書
・代金支払い済みを示す証票
・領収書
・補助対象物件受払簿
・看板、サイン作成の場合は当該看板等の写真
・HP等作成の場合はスクリーンショット
・預り金元帳
・源泉徴収税の納付書のコピー

契約書

契約書は「発注書or注文書+請書or注文確認書」の組み合わせでも代用が可能です。

補助対象物件受払簿

「消耗品」や「配布物」であった場合は、配布数や残数を管理した受払簿が必要となります。
その場合は、補助事業期間内に使用や配布した部分のみが、補助対象となります。

看板、サイン作成の場合は当該看板等の写真

単価50万円以上(税抜)の財産の場合は、写真が必要となります。

HP等作成の場合はスクリーンショット

単価50万円以上(税抜)の財産の場合は、ホームページ等のスクリーンショットが必要となります。

研修費の証拠書類の一覧

次は「研修費」の証拠書類の一覧です。
簡単に解説していきます。
※「建設費」「機械装置・システム構築費」と被る部分は解説を省略します。

・見積書
・申込書
・契約書(存在する場合)
・請求書
・代金支払い済みを示す証票
・領収書
・研修終了が確認できる書類
・預り金元帳
・源泉徴収税の納付書のコピー

申込書

研修への申込書が必要となります。

研修終了が確認できる書類

研修が終了したことが分かる書類(受講確認書、終了証、参加証明書等)が必要となります。

海外旅費の証拠書類の一覧

次は「海外旅費」の証拠書類の一覧です。
海外旅費は「卒業枠・グローバルV字回復枠のみ」の経費となります。
簡単に解説していきます。
※「建物費」「専門家経費」と被る部分は解説を省略します。

・海外渡航計画書
・旅費明細書
・宿泊先の領収書
・航空券、切符領収書等の旅費の証明となる書類
・請求書
・代金支払い済みを示す証票
・領収書
・預り金元帳
・源泉徴収税の納付書のコピー

海外渡航計画書

海外渡航の計画書を提出する必要があります。
特に様式があるわけではありません。

まとめ

以上、事業再構築補助金の実績報告で必要となる証拠書類でした。
かなり多くの書類が必要となりますので、実績報告は大変な作業となります。
ご支援が必要な場合は、当事務所にお問合せください。

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